OpECS
Optical probe Electric Current Sensor
『OpECS』とは光を使って「非破壊で電流波形計測」ができる、新しい光プローブ電流センサです。
光をプローブとした新しい計測手法により、「挿入インピーダンス」「周波数ディレーティング」「電磁ノイズの重畳」といった
電流計測時の問題を解決した革新的な電流センサです。
既存の電流波形計測用センサ(カレントトランス、電流プローブ、ロゴスキーコイル)のように
測定対象物をクランプして測定する必要がなく、近接または接触させることで電流波形計測が可能となります
また、フレキシブルな光ファイバの先端にφ0.45mmのセンサヘッドを配置していることから、
従来の電流波形計測用センサでは測定不能だった狭所の電流波形計測が可能となります。
主な特徴
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1.OpECSの構成
- ・光プローブのセンサー部とコントロールユニットで構成
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・オシロスコープと接続することで、測定した電流を波形として確認することが可能
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2.光プローブを使用した磁気光学式測定により高周波、大電流の電流測定が可能
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・電流が流れる際に発生する磁界を、磁気光学効果によるファラデー回転※3を利用して測定し、電流に変換する
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・光プローブのセンサー部は、光ファイバーと磁性材料のセンサーヘッドで構成され、電気部品を使用していないので、電磁ノイズの影響を受けず、また誤って大電流を印加しても破損したり感電したりしない
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・直流、交流の測定が可能。交流測定では、一般的な電流センサー(ロゴスキーコイル)の測定限界の約1.5倍となる150MHzの高周波の測定が可能
・大電流(数千Aクラス)においても、測定対象物に適正な距離を保ってセンサーを配置することで測定が可能
※3ファラデー回転 直線偏光を物質に透過させたときに偏光面が回転する現象のこと
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3.極小センサーヘッドにより、狭所の電流測定が可能
- ・既存の電流波形測定用センサー(カレントトランスフォーマー、ホール素子+カレントトランスフォーマー、ロゴスキーコイル)のように、測定対象物をクランプ(リング状のもので挟み込む)して測定する必要がなく、光プローブを近接、接触させるだけで、電流を測定
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・光ファイバーの先端部分に配置されたセンサーヘッドは最細でφ0.45mmの極小サイズ。従来の電流波形測定用センサーでは測定不能だった狭所(例えば基板実装されたパワー半導体のワイヤー)の測定が可能
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4.ノイズ影響が無く、幅広い用途に使用可能
- ・超低Ls※4の特性があり、測定回路への影響が極めて低くいためノイズ影響が無く、幅広い用途に使用可能
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・これにより、パワー半導体だけでなく、発電所等の大規模かつ大電力を扱う産業分野での使用も可能
- ※4 Ls=インダクタンス:コイル状の部品に流れる電流によって発生する磁場によって生じる抵抗のこと。 クランプするセンサーは全てこの影響を受けます。
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5.磁界測定分野にも活用可能
- ・磁気光学効果を用いており、磁気センサーとしても利用可能
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・磁界の感知を約φ0.05mmという極小の領域で行うので、従来測定出来なかったモーターコイルの内部やワイヤー間に生じている磁界及び分布の実測ができ、設計から得られた解析結果との整合を取ることが可能